【NMN論文紹介】NMNは老化する生殖能力を予防する役割がある

研究論文

【NMN論文紹介】NMNは老化する生殖能力を予防する役割がある

2022.04.26

NMNは老化する生殖能力を予防する役割があるという論文が2020年2月にアメリカで発表されました。

雌哺乳類は老化により卵母細胞の機能の低下により、生殖機能も低下します。この臨床試験では加齢に伴う卵母細胞の喪失とNADレベルの低下と関係性があると考えられています。

臨床試験では実際にNADの前駆体であるNMNの補給により老化したマウスの卵母細胞の質を改善させ、受精機能を回復させたことがわかりました。

Contents

1 NMNは老化する生殖能力を予防する役割がある
- 1.1 NMNにより生殖能力が回復する事がある？
- 1.2 NMNの可能性

NMNは老化する生殖能力を予防する役割がある

この論文の概要を記載します

Reproductive aging in female mammals is an irreversible process associated with declining oocyte quality, which is the rate-limiting factor to fertility.

Here, we show that this loss of oocyte quality with age accompanies declining levels of the prominent metabolic cofactor nicotinamide adenine dinucleotide (NAD+).

Treatment with the NAD+ metabolic precursor nicotinamide mononucleotide (NMN) rejuvenates oocyte quality in aged animals, leading to restoration in fertility, and this can be recapitulated by transgenic overexpression of the NAD+-dependent deacylase SIRT2, though deletion of this enzyme does not impair oocyte quality.

These benefits of NMN extend to the developing embryo, where supplementation reverses the adverse effect of maternal age on developmental milestones.

These findings suggest that late-life restoration of NAD+ levels represents an opportunity to rescue female reproductive function in mammals.4

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哺乳類のメスの生殖機能の老化は、受胎可能な卵子の質を低下させる不可逆的なプロセスであり、このことは受胎可能性の律速要因である。

我々は、加齢に伴う卵子の質の低下が、代謝補酵素であるニコチンアミドアデニンジヌクレオチド（NAD+）の減少に伴って起こることを明らかにした。

NAD+の代謝前駆体であるニコチンアミドモノヌクレオチド（NMN）を投与すると、老化した動物で卵子の質が若返り、受胎能力が回復する。これは、NAD+依存性脱アシラーゼSIRT2を遺伝子導入で過剰発現させると再現できるが、この酵素を削除すると卵子の質が損なわれることはない。

NMNのこれらの利点は、発達中の胚にも及び、補充することで発達上のマイルストーンに対する母親の年齢の悪影響が逆転する。

これらの知見は、晩年のNAD+レベルの回復が、哺乳類の女性の生殖機能を救済する機会を提供することを示唆している。

転載元文献

Bertoldo, Michael J et al. “NAD⁺ Repletion Rescues Female Fertility during Reproductive Aging.” Cell reports vol. 30,6 (2020): 1670-1681.e7. doi:10.1016/j.celrep.2020.01.058

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7063679/